今日のお茶
今日のお茶・その前に・・・・・
21年前に書いたブログ「自然に学ぶ」から
2001.09.30
地中に咲く花
人は美しい花を見ると感動する。しかし植物は決して人の目を楽しませ、感動させる為に花を咲かせているわけではない。虫を集め受粉を助けてもらい子孫を残すための手段として花を咲かせている。しかし虫が必ずしも100%子孫を残す手助けをしてくれるとは限らない。そこで虫が来なくても受粉出来るように自家受粉へと進化する。さらにより効率的な方法として閉鎖花(開花させずに種を作る)へと変化する。よく例にあげられる「ツリフネソウ」と「トラマルハナバチ」の関係があるが、ハチ等に頼らなくても自家受粉してしまう。と同時にわずかではあるが閉鎖花が見られる。一種の保険だろう。同じような花の「キツリフネ」は群生することも無く初めから多数の閉鎖花をつけることによって生き残る知恵を持っている。山のへりなどでミゾソバの花をよく見かける。なにげなく見ていればありふれた花だ。自家受粉で種子をつけ、又閉鎖花で子孫を残すが、さらに進んだ方法で確実に子孫を残す。土の中に閉鎖花をつけ種子を残す。これは水などで流されたり、風で飛ばされることなく確実に一番適した場所に種子を残すことが出来る。植物は人間にははかり知れない知恵を持っている。
ミゾソバ開放花
地中の閉鎖花
ヤブマメ開放花
ヤブマメ地中の閉鎖花
マルバツユクサ地中の閉鎖花
追記
土の中に花を咲かせるとは何とロマンチックな話。誰に観られることはない。植物は長い歴史の中で進化を繰り返し最高に子孫を自分が生きるのに最も適した地に残すことが出来る方法を見つけたのだろう。地上に出来る種子ではどこに飛ばされる皮からないのでその地が適しているかはわからない。
2001年にはミゾソバを書いたが日本ではこの他にヤブマメとマルバツユクサが知られている。
先月、近くでミゾソバの群生を見つけたのでそっと抜いてみた。
ミゾソバの地上の開放花は小さな花の集合体で、土の中には小さな花を1つけていた。その近くの雑木林の縁でヤブマメの花を見つけたので根を掘り出してみたらやはり閉鎖花が見られた。マルバツユクサは近くでは見つけられなかった。ある時、この話をブログに書いたら読まれた方からミヤマタニソバにもできるらしいと教えていただいた。
早速山の中を走りミヤマタニソバを見つけて確認したらやはり
閉鎖花をつけていた。
今日のお茶
お菓子
大垣金蝶園 「山土産」
茶碗
京焼 作者不詳
色絵盛り上げて茶碗
書簡
祖父宛徳富蘇峰氏手紙
蘇峰氏の字は癖があり読みずらい部分がある
( )の部分は不明な部分
長良川畔養老山下
御周祝大慶此事ニ御座候
老生も久々ニテ鬱憂ヲ
一掃シ心氣快哉イタシ候
御家ノ前途モ心配(而已)ハ無
限ナレトモ最善ヲ罄シ(最)后ハ
天祐ヲ祈ルノ他ナカレ(かク哉)
乍延引御礼ノミ申上度候不一
昭和十二
十月十六 老蘇
山崎大人玉几下
拙荊ヨリヨロシク
申出候