yabusameyamaのブログ

野草を見続けて40年草花にレンズを向けて好きなように写真を撮る

我流素人の生け花

今日の生け花・その前に・・・・・
    (お茶はしばらくお休み)


21年前に書いたブログ「自然に学ぶ」から


2001.07.15
ツリフネ草

秋風が吹き始める頃に山でよく見られるありふれた植物だ。咲いていれば誰でもツリフネ草とわかるが今の時期にはよほど見慣れていないとわからない。独特の花の形をしており花の後ろに「距」という蜜を貯める場所をもった比較的進化した植物のようだ。身近な植物では、子供の頃の花壇でおなじみの「ホウセンカ」が知られている。ツリフネ草とトラマルハナバチの関係はよく知られている。トラハナバチが花に潜り込み距の中の蜜を吸おうとすると花の天井にあるおしべを押し上げてめしべに押し付け受粉させる仕組みになっている。ツリフネ草の群生地でしばらく観察したことがある。観ていると色々な蜂や虫が集まってくる。特に多いのはホウジャクとクマバチだ。ホウジャクはホバーリングしながら長い口先を伸ばし花から花へと移動していく。クマバチは花へもぐり込む姿も見られるが体が大きくもぐりづらいのか距に直接穴を開けて蜜を吸ってしまう。マルハナバチでもオオマルハナバチは同じように距に直接穴を開け、ツリフネ草にとってはありがたくないお客だ。元々は虫にたよる受粉だったようだが必ずしも虫が来なくても受粉出来るように進化したらしい。さらに、閉鎖花により開花することなく子孫を残すようにさらに進化した。同じ仲間の黄ツリフネ草はツリフネ草のように群生せず閉鎖花も多い。虫が集まるのも少ないようで早々と閉鎖花をつける。
さらにこの草は花後の蒴果が面白い。うっかり触るとあっというまに種を四方へ飛ばしてしまう。そこで手のひらでそっと握る。すると手の中ではじけるのがよく判る。手を広げてみると種と一緒にバネガ出てくる。子孫を少しでも離れた所へ飛ばす知恵だろう。



蒴果


黒く丸いのが種子 緑の丸いのは種子を飛ばすバネ



追記
若い頃は毎週のように山へ入っていた。野草観察が好きで、車を山道に停めてカメラ片手に道路の斜面を観て歩く。
珍しい花を見つけることはまれだが、今は日本一のダムに沈んだ旧徳山村は好きで5月頃にはよく通った。初夏ではあるが5月の連休頃でもまだ雪が残っている所が多かった。
そんな中で偶然図鑑でしか見たことがなかったサンカヨウに初めて出会った。図鑑にも深山の植物と記載されている。
何度も見るうちにこの野草の面白い姿を見た。土から茎が1本伸びて出てくるがその姿が面白いちょうどマトンをまとったような姿で立ち上がりやがて葉を展開すると中心から花茎を伸ばし白いかわいい花を咲かせる。もう1つ面白いのは白い花が雨に濡れると透明になる。やがて実が出来晩夏には紫色に熟し食べられる。この発見以来山奥でよく見かけるようになった。
野草観察を始めて思い出の野草だ。自宅で育てられないか何度もネットで購入してみたが1年で消える。やはり山奥の雪深い所で見る野草だろう。




今回取り上げたツリフネソウだが山では当たり前に見られるが野草を少し深堀したい時には面白い植物。日当たりのいいところに生えるツリフネソウにはよく色々な虫が集まり観察してると面白い植物。しかし、同じ仲間のキツリフネは生き方が違うのか虫が集まりにくい。そのためか開花が始まる頃にはすでに多数の閉鎖花をつける。長い進化の過程で生き方が変わったのかも知れない。




今日の生け花
今年は美男カズラの実の一番いい時を逃したか?
時々行く養老町と南濃町の境にある喫茶店の駐車場裏の谷の斜面に確か美男カズラが生えてた。この喫茶店へ久しぶりに行ったので帰りに谷を覗いた見たら実が見えた。しかし、少し熟し過ぎてるように見えたがせっかくなので切ってきた。
美男カズラは派手でいいが意外と使いにくい。掛け花向きかもしれないが細く長い花器に生けてみた。実は熟してしまい、あまりきれいな実ではないが仕方がない。出来そこないの小さな実もついていたので添えてみた。合わせた花はノボタン。


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