yabusameyamaのブログ

野草を見続けて40年草花にレンズを向けて好きなように写真を撮る

野の花

サネカズラ(実葛)
マツブサ科サネカズラ属
雑木林の多い地域では珍しい植物ではない。花小さいが可愛いし
実が独特で和菓子のように赤く熟し見栄えがするが意外ときれいな実の数は少ない。
日本人とこの植物とのかかわりは古く万葉集にも多数詠まれている。
茎の粘液は、古くは整髪料に使用され果実は生薬とされる。
古くから盆栽仕立てなど観賞用に栽培されるてきた。古くはサナカズラ、ビナンカズラ(美男葛)、ビジンソウ(美人草)、ビンカズラ(鬢葛)、トロロカズラ(薯蕷汁葛)、ヒメカズラ(姫葛)と呼ばれサネカズラの呼び名はあまり古くないらしい。
学名には「日本(japonica)がついている。Kadsura japonica
1753年にスウェーデンの植物学者リンネがサネカズラをUvaria japonicaという学名で記載したものを1817年にフランスの植物学者であるアントワーヌ・デュナルが分類し直しKadsura japonicaと命名した。





牧野富太郎とサネカズラ
牧野富太郎は、サネカズラの和名についても研究したようで、サネカズラの別名や方言名を収集し、その由来や意味を調査し、サネカズラという呼び方が比較的新しいものであると指摘し、古くからの呼び方はサナカズラやビナンカズラなどであると記載した。
サネカズラの花について詳細な観察を行い、その結果を『植物学雑誌』に発表した。サネカズラの花が雌雄異株であることや、花粉媒介者がハチであることなどを明らかにした。
牧野博士の友人でもある金沢医科大学や台北帝国大学などで教授を務めた植物研究家の松田重次郎氏が台湾で見つけたサネカズラの研究にも協力してたようだが当時は日本に産するサネカズラと同一種としていたようだ。時は流れ現在はDNA検査などが取り入れられ今はより詳しく調べられるようになった。

岐阜大学教育学部の三宅崇准教授と神戸大学の末次健司特命講師,香港大学のRichard Saunders教授らと共同で、この植物がサネカズラとは別種であることを証明しその研究成果を、2017年に国際誌「Phytotaxa」に発表した。そして、最初に見つけた松田重次郎氏に献名した学名Kadsura matsudaeと三宅崇准教授によりリュウキュウサネカズラの和名が付けられた。

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